< 玉川上水路 冬に歩く >
雪が降り、ふだん上水路では見られない光景が広がりました。
枯葉が落ちた冬、木々は春に葉や花になる小さな冬芽で寒さに耐えています。
歩けば木の花や陽だまりに咲く草花も見られるかもしれません。
1. 上水路の雪景色 (2018.1.22)
雪が降る中を歩きました。遠くに続く白い道、木々の小枝にまで積もった雪がとてもきれいでした。
2. 降雪の翌朝 (2018.1.26)
今年2度目の降雪の晴れた翌朝、雪の上に木々のシルエットと曲線を描いた踏み跡が印象的でした。上水路ならではの光景だと思います。
3. 雪の結晶-1 (2018.1.22)
降雪中に、舞い落ちる雪を黒布に受けて撮りました。
このときの雪は小さな固まりで落ちるものが多く、単独の結晶が取れたのはビギナーズラッキーかもしれません。
結晶は6方の放射状に伸びてはいますが、細部の模様は少し不鮮明でした。次の機会にまた挑戦するつもりです。
4. 雪の結晶-2 (2018.1.22)
小枝にぶら下がった結晶です。かろうじて雪の結晶だと分かるかと思います。透明感があるのは、気温がやや高めだったので結晶の細部が溶けたのかもしれません。
5. ウグイスカグラ-1 (2018.1.22)
このウグイスカグラの木は正月早々に花をつけていました。上水路の多くのウグイスカグラは3月中旬~4月上旬が花の盛りで、その頃の花は長い花柄で下向きに咲きます。
この花は上向きで、短い花柄で積もった雪をしっかり支えていました。
6. ウグイスカグラ-2 (2018.1.6)
年明け早々に咲いた花です。上水路には1月中に咲くウグイスカグラが点在していますが、この時季の花は枯れ木等に紛れて気づかないことがあります。まだ花が咲くには早いという先入観があのるかもしれません。
7.ウグイスカグラ-3 (2018.1.6)
この時季に咲く木の花は少ないので、思わずクローズアップして撮ってみました。花の径は1cmほどですがきれいな花だと思います。
8. ナズナ (2018.2.13)
春の七草の一つ、別名ペンペングサです。玉川上水に向かう途中、道脇の陽だまりに咲いていました。根生葉(ロゼット)の中央から5cmほど立ち上げた茎の先に花をつけていました。
9. ジュウガツザクラ(十月桜) (2018.1.26)
エドヒガンザクラと他の桜(不明)と交配した園芸種だそうです。10~12月頃が花のピークで、以後2月頃まで断続的見られます。八重咲きの花はやや小ぶりで花の数は少ないですが長く楽しめます。
玉川上水の商大橋の北にある一ツ橋大学国際キャンパス構内にあります。
10.カラスウリ (2018.1.26)
カラスウリが一つだけシラカシの木にぶら下がって揺れていました。干からびてもうすぐ落ちてしまいそうです。艶がない赤い色が、さびしく感じられました。上水路でカラスウリの果実はあまり見られなくなりました。
11.ツルウメモドキ (2018.1.26)
秋に黄色く熟した果実は、果皮が3つに割れて真っ赤な種子が顔を出します。種子は野鳥たちの好物で、冬の早いうちにほとんど食べつくされます。赤い食べ残しが青い空に映えていました。赤い果実ついた蔓はリースの材料に使用されることがあります。
12. カマツカ (2018.1.26)
秋には黄葉と真っ赤な果実が美しかったカマツカも、枝についたままドライフルーツになっていました。しぼんだ果実にわずかに赤みが残っていますが、ひじを張ったような姿はなんとなく寂しさを感じます。
13. ムラサキシキブ (2017.12.9)
秋についていた紫色の果実は、果柄を残して落ちています。中央に突き出しているのが冬芽で、毛に覆われた幼葉が向かい合っていあっています。このような冬芽を裸芽(らが)といいます。春には、裸芽はそのまま大きくなり緑色の葉になります。
14. タラノキの冬芽 (2018.1.3)
春、芽吹いた新芽は山菜として喜ばれています。てっぺんに突き出ているのが冬芽(頂芽)、その下は幹をほぼ3/4周する葉痕(前年の葉が落ちた痕)で、周囲に点線に見えるのは維管束(幹と葉の水分や養分の通路)痕です。幹に出る冬芽(側芽)小さいです。
15. オニグルミの冬芽 (2017.12.19)
てっぺんの円錐形が冬芽で裸芽です。褐色の毛が付いた覆い(芽鱗:がりん)で守られていますが芽が育つと落下します。オニグルミの冬芽の特徴は葉痕の形で、よく羊の顔に似ているといわれています。タラノキの髭(ひげ)、アジサイの人の顔などは冬芽観察の楽しみでもあります。
16.アジサイの冬芽 (2018.1.6)
アジサイの冬芽は明らかに葉だと分かる裸芽です。特徴的なこの葉痕は女性の顔の世にも見えます(1?)。このアジサイの芽をカッターで切ると、中に葉になる部分と花になる部分のあることが分かります。このような芽を混芽(こんが)といいます。茎にある小さな冬芽には薄い鱗のようなもの(芽鱗:がりん)があります。
17. コブシの冬芽 (2015.1.9)
玉川上水路に散在するコブシには、長い毛に覆われた大きな花芽と短めの毛で覆われた小さな葉芽があります。毛は鱗状の覆い(芽鱗:がりん)にあり、発芽すると落花します。マントのようで暖かそうですね。
18. ネコヤナギ (2018.2.3)
早々に花芽の綿毛が顔を出していました。まだ褐色の芽鱗がついています。花芽は枝先にある葉芽より早く展開しますが、まだ花はツボミ状態です。雌雄別株で花は3月下旬頃に咲きますが。雄花は長い毛の間から赤い葯(やく)をつけた雄しべが伸び、黄色い花粉が目立ちきれいです。雌花は毛の間伸びた雌しべが淡黄色でやや地味です。
19. イヌシデ (2017.11.8)
冬芽と虫こぶ(虫えい)です。冬芽は艶がある多数の褐色の覆い(芽鱗)がついています。太めの枝先の冬芽には葉と花の両方が包まれています(混芽)。大きく膨らんでいるのはイヌシデメクレフシという虫こぶで、ダニの一種が寄生して冬芽の芽鱗、葉を肥大させたものです。珍しいものではなく、冬の時期にはふつうに見られます。