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 花は蜜や花粉などの餌を提供し、自由に動けない花は見返りに子孫を増やすための花粉の運び手として虫を利用しています。花と虫はともにそれぞれが効率的に行われるよう進化してきました。どんなに小さな花でもそこには虫たちが関わっています。

                                   (写真はクリックすると拡大表示)

タマアジサイとミドリバエ   (2013.7.21)

 梅雨になると球形のツボミが開いて花が咲き始めます。淡い紫色の両性花と周りの白い装飾花の対比がきれいです。体長1cm足らずのミドリバエがとまっていました。ハエとは思えない美しい色です、花の蜜を食べるそうです。

ノアザミ(ツボミ)とキイロケブカミバエ

 (2017.5.18)

 オレンジ色の体と黒い斑紋がある透明な翅、緑の眼を備え、ハエとは思えない愛らしさが感じられます。幼虫はアザミの花の種子を食べるそうです。体長は8mmくらいです。アザミの花が咲く頃に見られます。


ヒルガオとヒラタアブの仲間  (2017.6.6)

 子供の頃、「雨降りアサガオ」と呼んでいました。露近くなると藪にツルを絡ませてあちこちで咲いています。曇り空と淡紅色の花は梅雨時の雰囲気に合っているように思います。ヒラタアブの仲間が花粉を食べていました。

ハエドクソウとヤマトシジミ (2017.7.31)

 ハエドクソウは林の中に生え、大きさが5mmほどの淡紫色の小さな花を茎の上部に穂状につけます。高さは30~70cmです。上水路では普通に見られます。名は、根を煮詰めた汁でハエ取紙を作ったことによるそうです。

日向で飛ぶことが多いヤマトシジミが吸蜜していました。


ミズタマソウとアリの仲間   (2017.8.3)

 高さは20~30cm、林の縁などの日陰で見られます。名は、白い毛が密生した果実に露がついた様子を水玉にみたてたそうです。ガク片、花弁、雄しべは各2個、大きな雌しべ1個で花のつくりはシンプルです。花の大きさは2~3mmでクロヤマアリ(と思われる。)とほぼ同じ、散歩時の目線では小さくて見つけにくいかと思います。

ヨウシュヤマゴボウとヒラタアブ、ハムシの仲間                             (2017.7.31)

 北米原産で明治初期に渡来した外来種です。草地や道端でふつうに見られます。この時季未熟な果実と花、つぼみが混在しています。花ではアブが花粉や蜜を食べ、ハムシはツボミをかじっていました。秋の赤紫色に熟した果実、赤く色づく葉が楽しみです。


タケニグサとハチの仲間     (2017.7.25)

 タケニグサは、日当たりがよい荒地や道端で普通に見られます。背丈を越す高さと葉裏が白いキクの葉の形を大きくした葉が特徴です。花には花弁は無く多数の雄しべとその中央に雌しべがあります。ハチが花粉集めにやってきました、後足に黄色い花粉が付いています。

ソクズとアリ、ハムシの仲間 (2017.7.25)

 ソクズは茎の先に小さく白い花をびっしりとつけます。この白い花には蜜はなく、ところどころにある黄色の腺体に蜜をためています。アリは腺体で蜜を、ハムシは花弁を食べていました。腺体は果実に成長し秋には赤く熟します。)


=== 小さな虫たちとの出会い ===

クロボシツツハムシ       (2015.5.10)

 体長は約5mmです。テントウムシに似ていますが独特の模様のきれいなハムシです。サクラ、クヌギ、クリなどの広葉樹の葉を食べます。このときは飛んできてヤマブキの葉にとまったところを撮りました。

キイロクビナガハムシ       (2017.5.2)

 体長は約7mmです。キイロ…の名はありますが、この個体は鮮やかな赤褐色をしていました。上翅、胸部の微妙な色違い、点刻など魅力的なハムシです。食草はヤマノイモ、オニドコロなどの葉です。かわいらしい虫ですがなかなか出会えません。


カシルリオトシブミ        (2017.7.7)

  体長が約4mmの小さなオトシブミです。葉の上で動く点を撮ってPC拡大して見てびっくり。点は、上翅の藍色の輝き胸部の銅のような金属光沢を持つ美しいオトシブミでした。イタドリやガマズミなどの葉を巻いて揺籃(ゆりかご)作ります。

キイロテントウ     (2016.6.14)

 体長が約4.5mmの小さなテントウムシで黄色い鮮やかな光沢がある上翅、白い胸部に2個の黒い紋がかわいいです。小さいけれどよく探せば、上水路では普通に見られます。幼虫、成虫は植物につくうどん粉病などの菌類を食べるそうです。


ホバリングするヒラタアブの仲間

            (2017.5.30)

 体長は約10mmです。5~6月に上水路を歩いていると、一定の空間をホバリングするヒラタアブに出会います。同種のアブが近づくとすぐさま追い出しにかかります。この時季は婚姻の季節で、他の雄に対してテリトリーを誇示しています。

マルカメムシ             (2017.7.25)

 体長は約5mmです。丸い体型、ツヤがある背は甲虫のように見えます。カメムシの仲間ですから触ると臭います。上水路では林縁や草はらでふつうに見られます。クズのツルや葉に数匹が集団でいることもあります。赤い目がかわいらしいカメムシです。


ヒゲブトハナムグリ           (2017.5.18)

 体長は約1cmです。鹿の角を思わせる大きな触覚と毛むくじゃらで暗銅色の体には、小さいけれど存在感があります。ハナムグリの名はありますが花粉や蜜を食べるコガネムシとは別の仲間です。東京都レッドデータリストでは、区部で野生絶滅(EN)、北多摩で準絶滅危惧(NT)に指定されています。