伐採の前と後でこんなに風景が変わってしまいました。

皆伐前の関野橋上流域

皆伐後の関野橋下流域


==== 玉川上水 皆伐 ====

2016年10月 新小金井橋~関野橋の皆伐情報 

新小金井橋~関野橋の皆伐情報が寄せられています。説明会などが予定されています。詳細は今しばらくお待ち下さい。皆伐の概要と現時点の見解を、緊急にUPいたします。

‐玉川上水小金井流域の今年の樹木の伐採‐

 昨年、一昨年に続き今年も小金井市教育委員会の要請に基づいた東京都水道局の玉川上水小金井地域の樹木の皆伐が進められようとしています。

 小金井市はここに小金井桜なるものを復活する計画です。毎年、玉川上水の両岸のケヤキを中心とする多様な樹木を皆伐し、桜を植樹しています。今年は梶野橋上流に植樹するものと思われます。

 上水沿いには車の交通が激しい五日市街道が通り、歩道はすれ違いにも苦労するほどの狭い道です。また、左岸の近くには桜で有名な小金井公園があります。果たして多様性に富んだ玉川上水沿いの樹林を皆伐して桜並木をつくる意味があるのでしょうか。

今年の玉川上水の皆伐(伐採)は新小金井橋~梶野橋間で行われます。伐採予定の樹木には赤いテープが巻かれています。さらに今年は武蔵野市桜堤地区が入り、ここは茶色のテープに伐採と書かれています。

 新小金井橋~関野橋は昨年に皆伐予定され、市民の立会いで多くの樹木の伐採を阻止した場所です。驚いたことに、昨年、必死で伐採を阻止した 樹木の大部分が今年は伐採されてしまいます。また、未伐採の梶野橋上流の約100mが皆伐されます。ここの左岸は赤いテープが巻かれていません。武蔵野市の管轄である為と思います。右岸は小金井市で赤いテープが巻かれています。

 伐採地で気づいたこと:

既に伐採した区間はたくさんの外来植物や園芸種が繁茂していま

す。セイタカアワダチソウ、ヨウシュヤマゴボウ、オシロイバナ、ボタンクサギ、キバナ、コスモス、ムラサキカタバミなどです。

 一昨年でしたが、皆伐して草原になることで「草原の多様性に富んだ場所になる」と訳 が分からないことを言ってましたが、これが実態です。

 野鳥:オナガ、ヤマガラ、コガラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、コゲラ、シジュウカラ 、スズメ、ハシブトガラスなど野鳥たちの大切な餌場であり、移動や休息地のための緑地です。

 



==== 玉川上水 皆伐 ====

2015年12月 関野橋下流域(小金井公園付近) 

その後の経過(玉川上水皆伐2へ)

玉川上水の柵内は下記のように、皆伐が進行中です。

私達はこの皆伐に納得することが出来ません。

私達は下記の意見書を提出すると共に、情報を拡散したいと考えています。

== 写真はクリックすると拡大表示 ==

関野橋下流左岸の皆伐状況(桜の苗木が柵内にまばらに)


東京都水道局 境浄水場長様             H27年12月22日

(写 東京都教育委員会地域支援部) 

(写 小金井市教育委員会生涯学習課)

 

              ちいさな虫や草やいきものたちを支える会

        (代表 リー智子 http://t-ramsar.jimdo.com/)

 

玉川上水小金井市部分の樹木伐採ついての意見書

 

【ちむくいの紹介】

 ちいさな虫や草やいきものたちを支える会(略称ちむくい)は、玉川上水が東京中央部を、山から都心へ向けて水と緑でつなぐグリーンベルトであり、皇居、明治神宮、新宿御苑などへつながる生き物の通り道として、都内の生物多様性を支える重要な役割を果たしていることに注目し、玉川上水のラムサール条約への登録を目指して、シンポジウム、自然観察会、イベントなどをとおして、市民の玉川上水への関心の輪を広げる活動をしています。 

 

1.意見概要

現在、進行中の「玉川上水整備活用計画」により、サクラ植樹のため梶野橋~新小金井橋間の樹木伐採が計画され、現地に伐採樹木の目印が付けられ、伐採が進行しています。現地を調査したところ、ほとんど全ての樹木が伐採されるように見受けらます。私たちは、第2項の理由のように、時代が要求する生物多様性に配慮した多様な樹木とサクラが共存する樹木計画とすべきと考えており、本伐採樹木の選定について第3項のようにご配慮いただくよう要求いたします。

 

2.理由

当会は、人類の存続のため地球規模で求められている地球温暖化防止、生物多様性の確保の観点から、東京都の貴重なグリーンベルトである玉川上水において、多様な樹木を残すべきと考えております。東京都の計画でも、以下のようにサクラ並木整備において、サクラ以外の木も残すべきとなっています。玉川上水をサクラとその他の樹木が混じる生物多様性に富む空間とするべきと考えます。

 

(1) 東京都の「史跡玉川上水整備活用計画」(平成21年8月)との整合性

  本整備活用計画に、以下のように雑木林の維持と生物多様性への配慮の推進が記載されておりますので、サクラ以外の樹木も多く残すよう要求いたします。

a)「良好な雑木林の維持」

 東京都の整備活用計画のP11(2)「植生管理」に「良好な雑木林を維持していくことが必要です。」とあります。雑木林とは、様々な樹木が混じる林です。

b)「生物多様性への配慮」

 東京都の整備活用計画のP37の(2)「緑や生物多様性への配慮」に、「玉川上水の整備に当たっては、引き続き各管理者や地元自治体と連携し、緑の保全に配慮した植生管理を行うとともに、生物多様性をもった適切な生態系が維持されるように努めていきます」とあります。

 生物多様性に配慮するには、まずは多種の樹木を残すことが基本になります。多種の樹木があれば、葉、花、実、幹に集まる昆虫や野鳥なども多様になり、動物も含めて生物多様性が確保されます。

 

(2)東京都「緑施策の新展開 生物多様性の保全に向けた基本戦略」

         平成24年5月との整合性

 上記戦略は、生物多様性基本法に基づく、都の生物多様性地域戦略にあたります。戦略では、豊かな緑が人々に潤いや安らぎを与え、延焼防止や都市水害の軽減、気温や湿度の安定等に寄与し、都民の安心で快適な暮らしに貢献するとしています。東京に残された貴重な緑である農地や森林などが保全されることや、生態系に配慮した緑の確保が必要とされています。

 

(3)東京都水道局「玉川上水整備作業のお知らせ」(伐採作業現場付近            の説明看板)

 看板にはヤマザクラ以外の樹木について、次のように残すことが明示されています。

 樹木処理の「処理後(イメージ)」の図に、ヤマザクラ以外の緑の樹木の絵がある。

 「危険木やサクラを被圧する樹木の処理は根本から行い、『萌芽更新』させていきます。」と書かれていますが、これは、被圧しない樹木は、根本からは切らないことになります。

 低木については、作業前と作業により剪定された写真がでています。伐採された写真は載せていません。

 

(4)都市における緑(特に樹木)・グリーンベルトの効用性

 ビルや住宅、道路など人工物に囲まれている都会において、様々な樹種による緑は訪れる人の癒しの空間になります。それは、野山にある場合と異なり、少量でも安らぎとなる効果は高く、砂漠の中の水と同じように都会のオアシスとしての貴重なものです。特に、玉川上水の緑の特徴は、様々な樹木が線となって約30kmも続くグリーンベルトとなっています。緑が連続していると、野鳥や動物の移動が容易で、分散しているよりも多くの種類の生き物が生息可能となります。森林の中に道路を作ると人間が移動できるようになると同じことで、住宅街のなかにグリーンベルトを作ると生き物が移動しやすくなります。結果的に、生物が豊かになります。さらに、樹木は、温暖化の原因である二酸化炭素の吸収にも効果があります。そのため、多くの樹種を連続的に残すことを望みます。

 

3.平成27年度整備作業区間の伐採処理の改善要求

平成27年度整備内容の梶野橋~新小金井橋区間の伐採対象樹木について、危険木や高木以外の樹木を伐採しないように要求いたします。関野橋~新小金井橋区間の伐採対象樹木として赤テープを付けられた樹木のなかで、中・低木で幹回り30cm以下のものは、剪定のみとして伐採しないように要求いたします。

 

                                                                    (連絡先)

ちむくい 小口、加藤

 


2015_12_16 根株と桜の補植1本

2015_12_16 伐採作業中の樹木

工事看板 工期は来年2月まで

その後の経過(玉川上水皆伐2へ)